Gold Wars 2007 10 14
書名 いまなぜ金復活なのか
著者 フェルディナント・リップス 大橋 貞信 訳 徳間書店
この本から興味深い文章を取り上げましょう。
「古代ギリシアの都市国家群とは対照的に、
ローマ帝国は、貨幣の重量を偽るという誘惑に打ち勝つことができなかった。
小さくしたり、数を増やしたり、質を落としたりと、
貨幣をいじくりまわし、最終的には使い物にならなくしてしまったのである。
政府が絶えず浪費を続ける中では、
経済は繁栄できないことを証明した古代ローマ人は、
ある意味で、最初のケインジアンであった。
通貨への信認が失われ、また通貨の質が実際に低下するのに伴って、
商品を生産することよりも、投機の方が魅力的になってしまった。
金は東方に流失し、ローマ帝国の衰退は決定的なものとなった」
はたして、現代のローマ帝国であるアメリカの行く末は、いかに。
「金本位制という制度下でなければ、
インフレーションという名の略奪から、我々の資産を守ることはできない。
我々の財産を守るには金が欠かせないのである。
このことをしっかり理解していれば、
政治家たちが金本位制に反感を抱いている理由が容易に理解できるだろう」
(1966年 アラン・グリーンスパン)